高脂血症は血液中の脂質濃度が異常に高くなった状態で、いわゆる「ドロドロ血」のこと。
高脂肪血症は、動脈硬化を促進させるのみならず、血管内で血栓が生じ易くしたり、炎症が起こり易くする。高脂血症になると、血管内で血小板凝集が亢進したり、血液凝固能が亢進します。
また、高脂血症は、赤血球変形能を低下させます。
高脂血症になると、動脈の内壁にコレステロールが沈着し、プラークと呼ばれる脂質のかたまりが生じる。
プラークが生じると動脈の内部が細くなる、あるいは詰まることで血液の流れが悪くなり、身体の各部に十分な酸素と栄養素が送られなくなる。
また、プラークが血栓を作り、血栓が血液によってより細い血管まで流され、細い血管を詰まらせるケースも多い。
こういった点で、高脂血症は心疾患・脳血管疾患の危険因子となる。
2007年4月、日本動脈硬化学会は「高脂血症」を「脂質異常症」という名称に
変更し、診断基準を5年ぶりに改訂しました。
総コレステロール値を基準からはずれました。
血液の中には
脂質(脂肪類の総称)として、コレステロール、
中性脂肪(トリグリセライド)、
リン脂質、
脂肪酸などがあります。この中で、
特に動脈硬化と関連するのは
コレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)です。
一般の健康診断(人間ドック)では、総コレステロール、HDLコレステロール(
善玉コレステロール)および中性脂肪(トリグリセライド)を測定するのが普通です。
これらの3種類の測定から、LDL(悪玉コレステロール)、カイロミクロンおよび
HDLの量が推定されています。
日本動脈硬化学会によると、
- 高LDLコレステロール血症 140 mg/dl 以上
- 低HDLコレステロール血症 40 mg/dl 未満
- 高中性脂肪血症 150 mg/dl 以上
の時に注意が必要とされています。
上記の異常が続くと、全身の動脈硬化が進行し、
狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳血栓・脳梗塞、
足などの閉塞性動脈硬化症などを起こしてきます。
腎臓病、糖尿病、肥満症、甲状腺機能異常などの原因が認められるときは、
先ず、これらの病気をしっかり治療することが重要です。
血液中の脂質(脂肪)が異常に多い状態を高脂血症といいます。
脂肪(油)は直接血液に溶け込むことはできません。そのかわり、実際の血液中では脂肪が
うまく水にまざっているのです。脂質を血液中にうまく混ぜ合わせる働きをしているのが
蛋白質です。油と水を例にとると、放っておけば油は上に、水は下にたまってしまいます。
このように油は水に溶けません。しかし、ここで洗剤を入れると油は水にうまくまざり込み、
油が水に溶け込んでいるのと似た状態になります。血液中では、蛋白質が脂質を血液に
まざり込ませる洗剤の役割をしているのです。実際は、脂質と蛋白質がダンゴ状に混ざり合い、
これが血液に溶け込んでいます。この脂質と蛋白質でできたダンゴを、リポ蛋白質と
呼びます。