カテゴリー: 健康・医療情報
発作的に片側の側頭部や、こめかみが激しく、ズキンズキンと拍動性に痛み出し、
多くは2〜3時間続いて治ります。後頭部だけが痛むこともありますが、通常、
頭全体の痛みに広がっていきます。発作の前駆期には、頭部の血管は収縮し、
発作時には拡張しています。つまり、頭部の動脈が急に拡張するために、
激しい痛みが襲うのです。
発作の前に、気分の変化、食欲不振、目のちらつきがおきる場合があります。
また、激しい運動をした後や、ストレスが溜まっている時におきやすく、
急に体を動かすことや物音、明かり等の刺激にも敏感になったりして、症状が
悪化したりします。
ひどくなると吐き気をともなうこともあります。
偏頭痛は主に15歳〜55歳までの年齢層に多く見られ、女性と男性では3対1の割合で
見られます。特に女性の場合、生理の前後に症状が多く現れます。
これは女性ホルモンの変化が引き金となっているからです。
クモ膜下出血、脳腫瘍など、重い症状のシグナルの場合もありますので
注意が必要です。
クモ膜下出血では、突然に極めて激しい頭痛が
起こるのが特徴です。
しばしば雷にうたれたような頭痛とか頭をハンマーで叩かれたような痛みと表現されます。また突然おこるというのも大事な点で、その時点で痛みが最高潮に達することがほとんどです。また嘔吐を伴うことが多く、気を失ってしまうこともあります。
脳腫瘍の頭痛では、徐々に強くなって行くことが
多く、吐き気を伴うことがしばしばです。
朝起きた時に最も強く感じられるのも脳腫瘍の頭痛の特徴です。また頭の位置を変えることで痛みが強くなったり弱くなったりすることもあります。手足の動きが悪くなったり、言葉がうまく出てこなくなるといった症状を伴うような場合はかなり可能性が高くなります。
髄膜炎の頭痛では、持続性で発熱をともないます。しばしば首が硬直したようにかたくなり動かしずらくなります。このような場合は早急に抗生物質などにより治療を開始する必要があります。
アレルギー、ホルモン変動、ストレス(仕事、転職、対人関係など)、遺伝など、
さまざまなものがあげられます。
頭の血管の周囲には三叉神経という神経が走っています。この三叉神経は、本来は脳血管に異常が起こったりしたとき、その刺激を中枢に伝える役割を持っています。しかし同時に、中枢から血管の方に刺激を伝えるルートも持っており、このルートからの刺激で、サブスタンスPという物質が出てきて血管を拡げてしまうことがあります。その結果、血管内の白血球などの物質が血管の外へ出て、炎症を引き起こし、それによって痛みが生じると考えられています。
つまり三叉神経は、痛みを中枢に伝える役割を持ちながら、痛みの原因を作りだすこともしているわけです。
一方、このような痛みを防ぐものとして、神経伝達物質の一つである「セロトニン」があります。セロトニンは、サブスタンスPが出てくるのを抑えて血管が拡がるのを防いだり、拡がった血管を収縮させたりして、炎症が起きないように働きます。
原因となるストレスを発散したり、上記の刺激を避けたり、順応したりすることに よって予防したり制御したりすることも、ある程度はできます。 市販の薬や医師が処方する薬が効かない事も良くあります。 血管の拡張を抑制する「カフェルゴット」など。尚、血管拡張予防薬として非常に有効な「スマトリプタン」という薬が開発され、すでに欧米で使用されている。