Subject  : LGL症候群

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 LGL症候群
 LGL症候群では、洞結節で生成された刺激信号(興奮)の伝導経路の中で、本来なら興奮を遅延して伝達するべき房室結節部をバイパスする「副伝導路」ができてしまい、興奮が本来の伝導路を経由せず、短時間で短絡的に副伝導路を通過してしまいます。

 このため、心電図上のP波とQ波の間の遅延時間がほとんどなくなり「PQ短絡」と呼ばれる状態になってしまう疾患です。

 正常の房室伝導系の他に、心房と心室を連絡するバイパス(副伝導路)ができているため、心房興奮が本来のタイミングより早期に心室に伝達されます。このため、「発作性心頻脈症(回帰性頻脈・上室性頻拍)」と呼ばれる症状が生じやすくなります。

 【症状と診断】
 主な症状は上室性頻脈(上室性頻拍)ですが、心房細動や心室細動を起こすこともあります。
 発作性上室性頻拍は、突然に心拍数が毎分150拍以上に跳ね上がる発作が起こり、しばらく続いた後、突然おさまり毎分70〜80拍の状態に戻ります。発作の継続時間は短い時で1分くらいですが、まれに1時間続くこともあります。
 発作性上室性頻拍は、激しい運動時などに起こりやすく、若い人に多くみられます。この頻脈は、危険というよりもむしろ、不快な動悸と感じられます。

 治療しなくても直ちに生命に危険がおよぶものではありませんが、めまいを感じたり、胸が苦しくなったり、吐き気がしたり、長時間続くときは手足が冷え顔面蒼白となり、意識が薄らぐこともあります。また、頻拍が長時間続くと、心機能の低下により「うっ血性心不全」の状態になることがあります。

 【治療】
発作停止のために薬物療法を行います。通常、アデノシンやベラバミルなどの静脈内投与で発作はすぐに治まります。

 これでも発作が治まらない場合には、心臓に電気ショックを与えるAED除細動器による治療が必要になることもあります。

 不整脈の発作を予防するには、抗不整脈薬を内服します。ジギタリス、ジキニン、プロカインアミド、β−ブロッカー、リドカインなどの薬剤が用いられます。

 ⇒ 不整脈

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