Subject : 植物の色素
カテゴリー : 学術情報
植物の色素
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その分子構造から分類して見ると,およそ二つのグループに分けることが出来ます。
まず一つ目は
カロチノイドで,もうひとつは
フラボノイドです。
フラボノイドは植物には重要な物質で,花だけではなく,広く葉や樹皮などいろいろなところに分布していますが,
なかでも,花にとって重要なのはフラボン系とアントシアン系の化合物です。
カロチノイドが赤色系統,フラボンが黄色系統,アントシアンが紫から青などの系統の花の色をうけもっています。
また,上記ではアントシアンもフラボノイドの一種として挙げてありますが,
本によってはフラボノイドの一種としてではなく,示す色の違いから,
アントシアンあるいはアントシアニンとして独立してグループ分けされている場合もあります。
他にも、ベタレイン、クロロフィルなどがあります。
- ● カロチノイド
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カロチノイドはカロチンとキサントフィルの総称で、黄色、橙色から赤色の色素です。花びらだけでなく葉や根、果実などにも含まれています。水に溶けず脂肪などに溶けるため、細胞内の色素体に含まれています。
- ● フラボノイド
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フラボノイドは
アントシアニン、フラボン、フラボノール、
カルコン、オーロンなどの色素の総称です。水溶性で細胞液に溶けて存在しています。
アントシアニンは赤色から紫、青、水色まで幅広い発色をする色素です。カルコン・オーロンでは濃い黄色や橙赤色になります。ダリア・ベニバナ・カーネーション・ボタンの花の黄色はカルコン、キンギョソウの黄色はオーロンによるものです。その他のフラボノイドは無色から薄い黄色です。また、アントシアニンと共存しアントシアニンの色調を変化させます。
- ● ベタレイン
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ベタレインはベタシアニンとベタキサンチンの総称です。ベタシアニンは赤から紫色を発色し、ベタキサンチンは黄色を発色します。ベタレインは水溶性で窒素を含む色素としてまとめられています。また、ベタレインを持つ植物群はナデシコ目(ザクロソウ科・ツルムラサキ科・スベリヒユ科・ヒユ科・アカザ科・サボテン科・オシロイバナ科・ヤマゴボウ科)に限られています
- ● クロロフィル
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クロロフィルは緑色を発色するが花の色の色素としての働きより光合成の
中心的色素としての働きのほうが重要です。
クロロフィルaとそれより酸素が1つ多いクロロフィルbがあります。
多くの花もつぼみの時はクロロフィルの緑色をしていますが、花が開く
頃になるとその他の色素が合成され、クロロフィルは分解されていきます。
緑色の花ではクロロフィルが分解されずに残ります。
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