Subject   : 単球、マクロファージ

カテゴリー  : 学術情報 


 単球
血液中の白血球の約5%をしめる単球は,組織に入って成熟し、 マクロファージ,樹状細胞, ランゲルハンス細胞に分化します。 いずれも,抗原を貪食し,その情報を細胞膜表面に提示し,T細胞が抗原を認識する手伝いをする細胞であるので、 抗原提示細胞と呼ばれます。
感染が起こると単球は血流を離れて組織に入ります。そこで約8時間の間、単球は肥大し内部に顆粒をつくります。顆粒には酵素やその他の物質が詰まっていて、これらが細菌や異物細胞を消化するのを助けます。この肥大し顆粒を内蔵した単球がマクロファージです。マクロファージは組織内にとどまり、細菌、異物細胞、損傷した細胞、死んだ細胞などを食べ尽くします。このように細胞が細菌やさまざまな細胞や細胞片などを食べるプロセスを貪食(どんしょく)作用と呼び、このような細胞を食細胞と呼びます。
マクロファージは抗原など異物を激しく貪食しまくるのに対し,ランゲルハンス細胞(皮膚の浅い場所,表皮にのみ存在)と樹状細胞は貪食能が弱く,ほとんど抗原提示専門です。
 マクロファージ(macrophage)
マクロファージは、細菌などの外来性の異物、生体内の老廃物を貪食、 消化します。 そして、細菌などの抗原物質を取り込むと、抗原情報をリンパ球に伝える のです(抗原提供)。 さらに、リンパ球の出す、 リンホカインによって標的細胞破壊などの細胞性免疫の効果細胞としても 働きます。

単球は血管外の組織に到達すると大きな食作用を有する細胞となり、 大食細胞(マクロファージ macrophege)と呼ばれます。マクロファージは 結合組織内に広範囲に分布し、また肝臓(kupffer細胞)、脾臓、リンパ組織(洞組織球)や肺(肺胞大食細胞)等の臓器内で集団を作って分布しています。
マクロファージは免疫学的に活性されたT細胞(ヘルパーT細胞)からのサイトカイン(INF−γ)、またはエンドトキシン等の非免疫学的刺激により活性化されます。
急性炎症では刺激物質が除去され、作用物質が分解されるとマクロファージは最終的には死ぬかリンパ管を通って消失しますが、慢性炎症に移行した場合はマクロファージの集積は持続し、Tリンパ球と相互に刺激しあっています。
骨髄から出て血中に入った単球が血管外の組織へ出たものをマクロファージと定義しています。その中でも肺胞に出たものを肺胞マクロファージ(alveolar macrophage)、腹腔内に出たものを腹腔マクロファージ(peritoneal macrophage)などと呼びます。マクロファージは炎症局所などでは分裂により数を増します。 組織球は日本ではマクロファージ(macrophage)の同義語として用いられる場合が多いのですが、アメリカ学派はマクロファージをfixed macrophageとfree macrophageに大別して前者を組織球としています.fixed m.は結合〔組〕織内に広く分布,血管内皮細胞の外側や線維芽細胞に混じって存在しています.
炎症細胞ではもっとも大型の細胞で豊富な細胞質とくびれた核を持つ。プロスタグランジン、インターフェロン、インターロイキン1などを放出する。好中球と同じ貪食作用を示す。抗原情報をT細胞に伝える。

 ⇒ 造血幹細胞(免疫細胞)

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