Subject   : 腎臓

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 腎臓
心臓には四つの部屋があります。
腎臓の形はそら豆のような形をしています。 大きさは・・・握り拳の大きさくらいです。 どこにあるの・・・お腹の後ろ側、背骨を挟んで左右に1個ずつあります。

● 腎臓の働き
(1)老廃物をろ過して尿として、体の外に出します
蛋白質の燃えかすとして尿素ができます。この物質の血中濃度を 尿素窒素(BUN)と呼びます。 クレアチニン(Cr)とは、筋肉内に存在するクレアチニンより生じる物質で、腎臓の機能を知る目安となります。正常の腎臓の機能では、これらは尿と一緒に排泄されます。
正常値・・・BUN(8〜20)
      Cr(男性:0.7〜1.3、女性:0.5〜1.0)
そのほか、さまざまな薬物が腎臓によって排出されます。
(2)体の中の水分や電解質を調節します
腎臓では、尿の濃さや量を調節し体の中の水分を一定に保っています。例えば体の中の水分が少ない時は、尿は濃く量が少なくなります。体の中の水分が多い時は、尿は薄く量が多くなり、バランスが保たれています。電解質には、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、クロール(Cl)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、重炭酸(HCO3)などがあります。腎臓はこれらの電解質の濃度を正常に保ち、体内で生じた酸性物質を重炭酸(HCO3)で中和して排泄し、血液をアルカリ性に保つ働きをしています。
(3)血液を造るホルモンと血圧を調節するホルモンを分泌します
腎臓は血液を造るホルモン(エリスロポエチン)を分泌し、骨髄の赤血球生産を促しています。また、血圧が下がり腎血流量が減少すると腎臓から レニンというホルモンが分泌され、これによってレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系が活性化し、その結果、血圧が上昇します。
(4)ビタミンDの活性化を行います
ビタミンDは食物からとったり、日光の紫外線により皮膚で作られ、腎臓で活性化され、活性型ビタミンD(カルシトリオール)となります。活性型ビタミンDは、腸から血液中にカルシウムを吸収することを助けます。
(5)不要になったホルモンを不活化します
ホルモンは血液中に分泌されている物質で、それは微量ですが体の機能を調節しています。腎臓は体にとって不要なホルモンを壊したり捨てたりしています。(インスリン、成長ホルモン、PTHなど)

腎炎などの病気で、血液を濾過する「糸球体」の網の目がつまってしまうと腎臓の機能がおち、老廃物を十分排泄できなくなります。このような状態を腎不全といいます。腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態を腎不全といいます。いったん慢性腎不全になると、腎機能は回復不可能となります。
 ⇒ 腎臓の糸球体とネフロン

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