Subject   : 甲状腺

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 甲状腺
甲状腺は首の前、のどぼとけの骨よりやや下の方にある重さ20-30グラムぐらいの小さな臓器です。気管にのっかる様な感じで存在しています。大きく右と左に分かれますが真ん中でくっついています。イメージとしては蝶が羽根を広げて首にとまっているような感じです。正常な甲状腺は柔らかく、さわってどこにあるかわかりません。
働きとしては甲状腺ホルモンを分泌すること、および、 カルシトニンという別のホルモンを分泌することです。これらの分泌は甲状腺の中の異なる細胞で行われています。

● 甲状腺ホルモン
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの働きを一言でいうと全身の代謝を活発にすることです。これでは漠然としてわかりにくいので身近なものにたとえると、自動車のアクセルのようなものとなります。適度にアクセルを踏んでいると順調に車は走ります。それと同じように体も甲状腺ホルモンが適切な量が分泌されていると、体の各部の働きが順調にいきます。もし甲状腺ホルモンが分泌され過ぎるとエンジンのからぶかしと同じ状態となり、体を動かさないのに脈が速くなる、熱が上がる、体重が減るということがおこります。(これはバセドウ病の時の症状です。)逆に甲状腺ホルモンが足りなくなると、体が動かなる、脈が遅くなる、体温が低下気味になる、精神的に鬱の様な状態になるということがおこります。全身のほとんどの細胞が甲状腺ホルモンに反応することが知られています。この様に甲状腺ホルモンは生きていくために必要不可欠なホルモンです。幸いなことに甲状腺ホルモンはかなり長い間血液中に保たれる仕組みがありますので、1日単位でホルモンの値が急激に変わるようなことはありません。


 ⇒ 内分泌系

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]