Subject : 糖新生(gluconeogenesis)
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
糖新生(gluconeogenesis)
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糖新生(gluconeogenesis)とは、飢餓状態に陥った動物が、グルカゴンの分泌をシグナルとして、ピルビン酸、乳酸、糖原性アミノ酸などから、グルコースを再生する経路のことである。1分子のグルコースを新生するのに、ATPを6分子必要とする。ほとんどは肝臓のサイトゾルで、一部は腎臓で行われる。糖新生が急激に起こったため高血糖をもたらす現象をソモギー効果という。また糖新生は絶食によるダイエットが成功しにくい原因でもある。1850年代に、フランスの生理学者、クロード・ベルナールにより明らかにされた。
反応は、ほぼ解糖系の逆反応に沿って進む。 しかし
- ピルビン酸 → ホスホエノールピルビン酸
- フルクトース-1,6-ビスリン酸 → フルクトース-6-リン酸
酵素:フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ
- グルコース-6-リン酸 → グルコース
酵素:グルコース-6-ホスファターゼ(肝臓と腎臓のみ)
の3つの反応は可逆反応ではないため、後者2つについては別の酵素を用いることによって、前者については、クエン酸回路を経由させることで反応を進めている。
「ピルビン酸 → ホスホエノールピルビン酸」のとき、まず最初にピルビン酸がミトコンドリア内に入る。その後にピルビン酸からオキサロ酢酸が生成される。
ピルビン酸 → オキサロ酢酸
ピルビン酸カルボキシラーゼ
このとき生成されるオキサロ酢酸は新糖生にも使われるが、クエン酸回路の成分の補充反応でもある。
その後は「オキサロ酢酸 → リンゴ酸 → (ミトコンドリア外に出る) → オキサロ酢酸 → (ホスホエノールピルビン酸カルボキシナーゼ) → ホスホエノールピルビン酸」という過程をたどる。
このとき2分子の乳酸から1分子のglucoseが産出されるので、新糖生では1分子のglucoseを生成するのに6個のATPが必要となる。
- ■ コリ回路(乳酸の再利用)
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嫌気的条件下では,解糖はピルビン酸を経て乳酸やエタノールの生成をもって終了する(発酵)。
解糖の段階で
NAD+が消費されるが,その細胞質内濃度は限られているため解糖を続行
するためには再生する必要がある。そこで,経路をピルビン酸で止めずに乳酸やエタノールを
つくることによっててNAD+の再生を行う必要がある。生じた乳酸は肝臓に送られ,また元のピ
ルビン酸に戻されて,糖新生やTCA回路で有効に利用される。
筋肉において,嫌気的条件下でグルコースから生成した乳酸は血液中に放出され肝
臓へと運ばれる。肝臓で乳酸は糖新生によって再びグルコースへと変えられて血液中
に放出され,筋肉に戻る。このようなグルコースと乳酸の循環をコリ回路 (Cori
cycle) という。
乳酸が過剰に筋肉に蓄積すると組織のpHを低下させるため,いわゆる「疲れ」や
「こり」といった現象を引き起こす。また,血液中の乳酸濃度が高くなると血液の緩
衝力を超え,pHが低下する(乳酸アシドーシス)。コリ回路はそれらを解消するた
めの肝臓と筋肉の連携による生理的な機構である。
⇒
解糖(glycolysis)
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