Subject   : グリコーゲン合成と分解

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 グリコーゲン合成
 グリコーゲンは、解糖の最初の段階で得られるグルコース 6-リン酸から合成される。段階(1)で6位のリン酸基を1位に転移後、段階(2)でUTP と反応させてUDP-グルコースにする。UDP-グルコースは高エネルギー化合物であるため、その加水分解のエネルギーを利用して、グルコー ス単位をグリコーゲンの4位のOH基に転移し、グリコシド結合を生成させる(段階(3))。グリコーゲンのa-1,6 結合は、1,4- a-グルカンブラ ンチング酵素によってつくられる(段階(4))。グリコーゲンは主として肝臓と筋肉中に保存される。  植物のデンプンはグリコーゲンと似た機構で合成される。グリコーゲンと異なるのは、段階(2)においてUTPの代わりにATPが用いられる点 である。一方、微生物の場合は、CTPとGTPが同じ目的で使われる。

■ グリコーゲンの分解
 段階(5)〜(7)に示すように、グリコーゲンの分解経路は合成経路と全く異なる(「異化と同化は別経路」の例)。  飢餓などでグルコースを必要とした時、動物はグリコーゲンをリン酸で分解してグルコース 1-リン酸にし,これをグルコース 6-リン酸に変 える。肝臓ではさらにグルコースにまで戻し,血液中に放出する。飢餓が進むと肝臓は 糖新生によってアミノ酸からグルコースを合成するよう になる。植物などは光合成でグルコースを合成する仕組みをもつ。

段階 反応 酵素
1 グルコース 6-リン酸 → グルコース 1-リン酸 ホスホグルコムターゼ
2 グルコース 1-リン酸 → UDP-グルコース UDP-グルコース ピロホスホリラーゼ
3 UDP-グルコース → 鎖状グリコーゲン グリコーゲン シンテターゼ
4 鎖状グリコーゲン → グリコーゲン 1,4- a-グルカン ブランチング酵素
5 グリコーゲン + リン酸 →
 限界デキストリン + グルコース 1-リン酸
グリコーゲン ホスホリラーゼ
6 限界デキストリン →  4- a-グルカノ トランスフェラーゼ
7  → グルコース(肝臓) アミロ-1,6- グルコシダーゼ


 ⇒ 解糖(glycolysis)

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