Subject   : ウイルスのボルティモア分類

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 ウイルスのボルティモア分類
 通常の細胞性の生物は2本鎖DNAに遺伝情報を保存しているが、2本のうちの1本は冗長である。ウイルスの場合にはゲノムは1本鎖であったり2本鎖であったりする。またDNAではなくRNAを用いている場合もある。1本鎖RNAを用いる場合には、さらに+鎖(mRNAと同様に遺伝子が5'→3'方向に読み取られる)を用いる場合と、-鎖(遺伝子が相補鎖を使って3'→5'方向に読み取られる)を用いる場合がある。ボルティモア分類とは、こうしたゲノムの種類と発現様式によってウイルスを以下の7群に分類するものである。

種類 メモ
2本鎖DNA Caudovirales目 (Caudovirale)
1本鎖DNA バクテリオファージの未帰属目:イノウイルス科(Inoviridae) 、 ミクロウイルス科(Microviridae) など
2本鎖RNA レオウイルス科(Reoviridae) は下痢を引き起こす
1本鎖RNA +鎖 mRNAとして作用:ニドウイルス目 (Nidovirales)
1本鎖RNA -鎖 mRNAの相補鎖。鋳型として使用。:モノネガウイルス目
1本鎖RNA逆転写 複製によるDNA中間体を含む。
2本鎖DNA逆転写 複製によるRNA中間体を含む


国際ウイルス分類委員会による分類体系では、まずボルティモアによる7群に分けた上で、その中を通常の生物のものと似た分類階級を用いて階層的に分類している。またウイロイドなどについても同様の階層分類を行っている。ウイルスの分類階級は以下の5つのみで、それぞれの学名は括弧内に示す統一語尾を与えられる。生物種の学名とは異なり、ウイルス種の学名は属名を含む必要がなく、単語数にも制約がない。
 ・目 (order; -virales)
 ・科 (family; -viridae)
 ・亜科 (subfamily; -virinae)
 ・属 (genus; -virus)
 ・種 (species)
ただし目が使われるようになったのはごく最近のことである。国際ウイルス分類委員会の報告書第8版(2005年)には、73科約2000種が知られているが、今のところ10科が3目に所属しているだけで、それ以外のほとんどの科は目に所属していない。
 ⇒  ウイルス

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