Subject   : β2刺激薬

カテゴリー  : 話題のことば > 薬剤


 β2刺激薬
副腎髄質・交感神経で分泌される アドレナリン(エピネフリン)にはα(末梢血管),β1(心臓),β2(気管支)などの受容体がある.β刺激薬はβ1にもβ2にも作用するので,気管支の拡張効果のほかに心臓に作用して脈拍数を増加させる. β1の作用を極力抑えて,β2に選択性をもたせた薬剤がβ2刺激薬である.

選択性はあるとはいえ,副作用としては乱用(とくにポケット・ネブライザーで生じやすい)した場合,心臓にも影響がある.長期的には気道過敏性を亢進させるとの報告があるが,炎症治療薬ではないので,炎症を放置し,症状だけを緩和させたという設定条件も影響した結果であると思われる.

◆ サイクリックAMP
アドレナリンやβ2刺激薬が受容体と結合するとATPよりサイクリックAMPが生成される.サイクリックAMPは蛋白キナーゼAに作用して,細胞機能を調節する.気管支の場合,拡張がおこる.テオフィリンはサイクリックAMPの分解を促進するホスホジエステラーゼを阻害することにより,サイクリックAMPの濃度を上昇させ薬理作用を発揮するというように説明されているが,実際の薬理学的効果が見られる濃度では細胞内サイクリックAMPは増加しないという意見もある

 ⇒ 交感神経と副交感神経(自律神経:二重拮抗支配)

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]