Subject   : ACTH(adrenocorticotropic hormone)

カテゴリー  : 話題のことば > ホルモン


 ACTH(adrenocorticotropic hormone)
下垂体前葉から分泌されるホルモンです。 ACTH の分泌は、生体リズム、視床下部のコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)、 血漿コルチゾール濃度による負のフィードバック機構により調節されています。 血漿ACTH 濃度は、6〜8時に最高になり以後漸減して0時に最低となります。 精神的ならびに身体的ストレスによりACTH の分泌は刺激されます。

■ ACTH の作用
副腎皮質に対して肥大作用とコルチコイド分泌促進作用のほか、 約1/30 のメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)様作用を示します。

ACTH 過剰分泌ではクッシング症候群を、 分泌不全では、副腎皮質機能低下を起こします。

■ ACTH 産生腫瘍
ACTH 産生する腫瘍が、肺、消化管、膵臓、副腎などから発生する腫瘍に見つかります。 脳、気管、消化管、副腎などの組織からも微量ですがACTH 産生されていることが明らかになり、さらに、総ての臓器から発生した腫瘍にACTH が存在するといわれています。

腫瘍からのACTH 産生の過程は下垂体と同じですが、 十分な生物活性をもったACTH が産生されることが少ないのです。 異所性ACTH 産生腫瘍でクッシング症候群を起こす 場合を、異所性ACTH 症候群と呼びます。

■ ACTH 単独欠損症
ACTH のみの単独欠損を示す稀な疾患です。 30〜50才に発症し、性差は少ない。 原因不明ですが、自己免疫疾患の可能性があります。
症状は、 無力と低血糖がしばしばみられる症状で、 血漿ACTH が低値、または正常範囲でも血漿コルチゾール値に比べて低値で、 尿中の遊離コルチゾールの排泄も低下します。
診断は、 ACTH 以外の下垂体ホルモンの分泌には異常が無く、 ACTH の投与で副腎皮質ホルモンの分泌が刺激されることを確かめれは診断がつきます。

 ⇒ ホルモンがつくられる部位と機能

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