テストステロン（TS）

testosterone
男性の睾丸から分泌される主要なアンドロゲン（C19ステロイド）で，下垂体前葉から分泌されるLHおよび，視床下部から放出されるLH-RHを介する。テストステロン，フリーテストステロンと共に性腺機能の判定及び男性化の病態解明に重要な意味をもつ。なお，女性では副腎系の機能検査としても重要な意義を持つ。更にフリーテストステロンは直接生物活性を示すため肝疾患，甲状腺機能亢進症，妊娠などで特異結合蛋白（SHBG）に変動がみられる場合に，テストステロンよりもこれらの影響を受けずに性腺機能を反映する。

・男性では日内変動（朝高く，夕方低下）が見られるが女性では見られない。
・血中の98％は蛋白と結合し遊離型は２％にすぎない。睡眠中のTSが遊離型を反映するといわれている。

　男性ホルモンの働きは胎生期、成長期、成人期によって異なりますが、成人期では筋力や骨密度の増加、体脂肪の低下、皮脂の産生、ひげ・恥毛・胸毛の発育、頭髪の減少、気分の高揚、造血などがあります。

　△ 高値疾患

男性；・男性ホルモン産生腫瘍 ・先天性副腎過形成女性；・男性化副腎腫瘍 ・先天性副腎過形成・男性化卵巣腫瘍

　▼ 低値疾患

男性；・無精巣症 ・思春期前去勢 ・ゴナドトロピン単独障害

　⇒　ホルモンがつくられる部位と機能