Subject  : 古生代(Palaeozoic)

カテゴリー : 地球科学 


 古生代(Palaeozoic)
 顕生代を動物化石の変遷をもとに三分した最初の地質時代で、約5.7億〜2.45億年前。無脊椎海生動物の栄えた前半の旧古生代と、陸上の動植物の繁栄した後半の新古生代とに分けられ、前者はカンブリア紀・ オルドビス紀シルル紀に、後者はデボン紀石炭紀・ペルム紀にそれぞれ三分される。

また各時代の特徴ある動物群により、カンブリア〜シルル紀を海生無脊椎動物時代、デボン紀を魚類時代、石炭〜ペルム紀を両生類時代とも呼ぶ。

旧古生代には三葉虫・筆石・サンゴ・オウムガイ・腕足類・棘皮動物などの無脊椎動物が栄えた。オルドビス紀に最初の脊椎動物の魚類が出現し、デボン紀に全盛をきわめた。新古生代には前述の無脊椎動物のほかに、フズリナ・アンモナイトなどが加わり、新たに両生類が出現し、石炭〜ペルム紀に主役を果たした。植物では、旧古生代は菌藻類により代表され、デボン紀前〜中期にはマツバラン類が、デボン紀後期〜ペルム紀前期にはシダ植物が栄え、ペルム紀後期には裸子植物時代が始まった。石炭〜ぺルム紀には各地で大森林を形成し、この時代の地層中に多量の石炭を埋蔵する。

旧古生代には北西ヨーロッパ・グリーンランド・北米・中国北部などを舞台にカレドニア造山運動が、新古生代には中部ヨーロッパ・ウラル・北米・中国などでバリスカン造山運動があった。気候は一般に温和で、全世界ほぼ一様であったが、ペルム紀末期に北米・インド・オーストラリア南部・南アフリカなどに大陸氷河の広がった証拠があるほか、オルドビス系・シルル系・デボン系・上部石炭系中には氷河成層がみられる。

● カンブリア紀〔Cambrian(period)〕
古生代の最初の地質時代。先カンブリア時代に比べて生物の種類・個体数ともに爆発的に多くなる。名称は模式地の英国ウェールズの古い呼称、カンブリアに基づく。ふつう初・中・後の3世に細分されるが、これはヨーロッパ、北米においては三葉虫のOlenellus−Paradoxides−Olenusという変化に対応している。生物界は三葉虫のほかに、無脊椎動物の大部分の門が出現し、なかでも海綿類とサンゴ類の中間的性質をもつArchaeocyathus、無関節、キチン質腕足類Lingulella・Obolellaなどは有名。植物は藻類が主。陸生植物は胞子が発見されているのみではっきりしない
 ⇒ 地質年代表

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