Subject : フラボノイドの特徴
カテゴリー : 学術情報
フラボノイドの特徴
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フラボノイドは多く水に溶けるような状態になっています。
したがって,花びらを引き裂いて表皮の部分の細胞を顕微鏡で見ると分かるのですが,
花びらが黄色いときは,それがカロチノイドによるものならば,
細胞質に黄色い粒がたくさん見えるのに,中心の液胞の方はほとんど色がついていません。
反対にフラボノイドによる着色なら,液胞の方が色がついていて細胞質の方はほとんど無色です。
フラボンやフラボノール,
イソフラボン
,フラバノン,フラバノール,
カルコンなどはすべてフラボノイドの一種です。
このうち,フラボンは無色の針状晶として得られており,色はついていません。
ただ,フラボンの構造には,共役二重結合系があり,ベンゼン環をもっていることから,
何かの影響があれば,紫外部の吸収帯が可視部に移動してきて,色,
それもかなり強い色がつくであろうということは,たやすく推定することができます。
実際もそのとおりであって,フラボンに OH 基のついたアピゲニンはダリアやコスモスの花に含まれる黄色の色素です。
イソフラボンの骨格を持っているヘスペリジンは,
ミカンやオレンジ,レモンの果皮に含まれているし,
カルコンの構造をもつブテインやコレオプシンはダリアや菊などに含まれています。
先にも出てきた紅花の紅はこのカルコン構造をもったカルタミンというフラボノイドです。
それで,フラボン類の性質としては,天然の花びらなどの中に存在している時は,
多くの場合,ブドウ糖などの糖類と結合して,配糖体として存在しているとういうことや,
カロチノイドとは異なり,一般に水に溶けやすく,ベンゼンやエーテルなどには溶けにくいということなどがあげられます。
ただ,最も大切な性質は酸性やアルカリ性で色が変わるという性質であるということが言えると思います。
フラボノイドは pH によってその色素の色が変化します。
これらフラボノイドの色の原因は共役二重結合系にあることは違いありませんが,カロテンと異なるのはベンゼン環です。
ベンゼン環に OH のついたフェノールやレゾルシンの誘導体と考えることもできます。
このような共役二重結合系が,ベンゼン環の OH を窓口として,pH の変化によって電子状態が変わってくるのは当然です。
一般にフラボン類は,酸性にすると黄色は淡くなり,アルカリ性になると濃くなります。
⇒
フラボノイド(flavonoids)
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