Subject   : 消化管ホルモン

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 消化管ホルモン
ガストリンセクレチンコレシストキニン, GIPな どがあり,消化管の分泌と運動を調節しています。 P物質,モチリン,ガストリン放出ペプチド(gastrin-releasing peptide;GRP)なども消化管ホルモンです。

■ ガストリン gastrin
幽門腺のG細胞によって分泌。胃酸とペプシン分泌を促進。胃粘膜の成長を促進する.また,胃蠕動運動を亢進させる.
17個のアミノ酸からなるペプチドで,幽門洞,十二指腸球部のG細胞で作られる.G細胞の微絨毛がペプチドやアミノ酸を感知することにより分泌され,酸(pH2〜3以下)により分泌は抑制される。
ガストリノーマや悪性貧血において分泌が亢進。

■ cholecystkinin-pancreozymin, CCK-PZ
コレシストキニン・パンクレオザイミンは、33個のアミノ酸からなるペプチド (CCK-33) で、小腸のI細胞で作られる。十二指腸内のペプチド、アミノ酸、脂肪酸によって分泌が促進される。膵腺細胞のホスホリパーゼCを活性化させ,イノシトール3リン酸の増加により膵酵素を分泌させる。
消化器系が蛋白質や脂肪など、化学的な消化に時間のかかる食品を十分に消化する作用を助ける。 胃が糜粥を十二指腸に送り込むのをゆっくりにし、消化酵素に富む膵液の分泌を促進する。胆嚢を収縮、オッディ括約筋の弛緩を促し胆汁排出を促進し、食品中の脂肪分を乳化させて消化しやすくする。

■ セクレチン secretin
胃からの酸性内容物の刺激を受けて十二指腸の上皮細胞(S細胞)で作られる 消化管ホルモン。27個のアミノ酸からなるペプチド。 蛋白質の消化産物や酸によって分泌が促進される.セクレチンは膵導管細胞および胆道から重炭酸塩に富む膵液を分泌させ,胃から送り出された酸を中和する.胃酸分泌を抑制するが,ペプシノゲン分泌は高める.セクレチンによる重炭酸塩の分泌は膵導管細胞に作用しcAMPを増加させることによる。 膵臓の腺房中心細胞に作用して炭酸水素塩の分泌を促進し,胃酸を中和。胃に作用して,胃酸分泌を抑制。

■ 胃抑制ペプチド(gastric inhibitory peptide;GIP)
43個のアミノ酸からなるペプチドで,空腸のK細胞で作られる.消化管内のブドウ糖や脂肪によって分泌が起こる.胃液分泌と胃運動を抑制し,膵臓のインスリン分泌を高める.

■ ソマトスタチン
14個のアミノ酸からなるソマトスタチン14と,28個のアミノ酸からなるソマトスタチン28がある.膵臓ラ氏島D細胞や消化管粘膜に含まれ,ガストリン,セクレチン,インスリン,グルカゴンの分泌を抑制する.ソマトスタチンの分泌はコレシストキニン,アルギニン,ロイシンによって促進される.ソマトスタチンは視床下部からも分泌されており,下垂体のTSHと成長ホルモンの分泌を抑制する.

■ 血管作動性小腸ペプチド vasoactive intestinal polypeptide, VIP
小腸からの水と電解質を分泌を促進,胃液分泌の抑制などの作用をもつ。

 ⇒ ホルモンがつくられる部位と機能

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