Subject : リンパ系
カテゴリー : 学術情報 > 生化学
リンパ系
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リンパ系は、リンパ器官(リンパ節、リンパ管、
胸管など)からなるシステムで、リンパ液の生成及び、組織から循環系への
移動を行っています。また免疫系において大きな役割をはたす。
リンパ系には以下の3つの機能があり、これらは相互に関係がある。
1. 組織から余剰になった液を取り除く
2. 消化吸収された脂質を循環系まで運ぶ
3. 免疫担当細胞(リンパ球、単球、抗体を産生する形質細胞)の産生
リンパ液とは細胞間液のことで、毛細血管からしみ出した血漿(けっしょう)が
リンパ管に入り込んだものです。主な働きは、古い細胞や血液のかけらなどの老廃物や腸管で吸収された脂肪を運ぶことです。
リンパ液の元は毛細血管から漏出した血漿が細胞間隙にて組織液となったものである。血漿は静水圧によって毛細血管から押し出され、組織液に混じる。ほとんど(90%程度)の組織液は浸透圧によって血管内に戻るが、一部(10%程度)は細胞間に残り、組織液の量は次第に増加することになる。その結果余剰が生じ、余剰部分はリンパ管の中に拡散し、リンパ系によって循環系に戻されることになる。
血管には心臓というポンプがあるのに対し、リンパ管にはポンプがありません。筋肉を収縮させる事でポンプ作用が働きリンパ液が循環しています。
リンパ系は開放循環系である。リンパ系にかかる圧力は低く、液の流速も遅い。リンパ系の圧力は蠕動、骨格筋の収縮によってもたらされ、リンパ管には静脈と同じく、逆流防止の半月弁がある。リンパ液の移動は主に骨格筋の収縮を原動力とするが、周期的な管壁の収縮もリンパ液のリンパ管への移動を助ける。毛細リンパ管は集合しつつ次第に太くなり、右の上半身からのリンパ液は右リンパ管に、他の部位からのリンパ液は胸管に集まる。これらは右及び左の鎖骨下静脈に流れ込み、血液循環系と合流する。
リンパ管は 乳糜管とも呼ばれ、消化管の表面に沿って分布する。小腸で吸収された栄養素はほとんどが肝門脈を通って肝臓に流れ込みそこで処理されるが、脂質はリンパ液に乗って胸管を通り静脈まで運ばれる。小腸からの脂質を多く含むリンパ液は乳糜と呼ばれる。脂質は一旦体循環に乗った後で肝臓において処理される。
- ■ リンパ器官
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リンパ器官を構成する付随的なリンパ組織にはし胸腺、
脾臓、リンパ節、パイエル板、扁桃、虫垂、赤色骨髄がある。これらの器官を足場にして、B細胞やT細胞、及びマクロファージ、樹状細胞など他の免疫細胞が体を循環する。他にも、細網内皮系と呼ばれるものがある。病原体が体内に侵入したり、体が抗原(スギ花粉のような)に晒されたりすると、抗原がリンパ液に移動し、リンパ液はリンパ管を通って近傍のリンパ節に運ばれる。リンパ液の中の細菌、癌細胞といった異物はリンパ節で除去される。マクロファージおよび樹状細胞が病原体を貪食・処理し、リンパ球に対して抗原提示を行う。病原体を認識するとリンパ節は腫大し、産生された免疫細胞が新たに加わって生体防御にあたることになる。
- ■ リンパ球
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リンパ球とは、白血球の一種で、
「NK細胞」
「T細胞」「B細胞」に分けられ、免疫反応に直接的に働きます。胸腺、骨髄、脾臓、リンパ節、扁桃などのリンパ組織に豊富に分布しています。
白血球全体の3割強(小児では5割程度)をしめています。
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