Subject   : 干渉法

カテゴリー  : 光学 


 干渉法
 干渉法は複数の波を干渉させるとき、波長の整数倍に近づくと強めあい、その中間に近づくにつれ弱めあうことを利用して、波長(周波数)や位相差を測定する技術のこと。この原理を利用した機器を主に干渉計とよぶ。 ガンマ線から可視光線、電波・音波領域に及ぶ電磁波工学の研究・製品の製造管理(および較正)・動作原理においては基礎的技術であり、この原理を利用する機器・分野は極めて多岐に渡る。

被観察物の複屈折量や微小な厚みの変化・応力(ひずみ)や内部構造の可視化、超高精度の平面や放物面の面粗さ測定などに用いられている。応用例を以下に示す。

リングレーザージャイロや光ファイバジャイロスコープはサニャック効果(角速度の変移によって光路に位相差が発生する現象)を利用して、加速度や方位の遷移を検出する。信頼性や精度が高く、航空宇宙工学における位置確定や姿勢制御に使用されている。

オートフォーカス一眼レフカメラは、干渉法を用いて高精度・高速なオートフォーカス動作を行っている。 位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡は、位相差光学素子や偏光素子を顕微鏡に用い、非常に透明度の高い物体や微小な段差の測定が可能となっている。

音波においては、逆位相の音を発生させることによって騒音を低減するヘッドホンや自動車用静穏装置が開発され、発売されている。

 ○ 光学関係の干渉法
種類 コメント
マイケルソン干渉計 ビームスプリッタによって光束を2つに分割し、2光束を再度結合させることによって干渉させる。光束が通過する媒質の屈折率や距離によって光学的距離が変化し、これを干渉縞のパターンによって可視化できる。これによって気体の密度分布やガラスのゆがみが検出できる。
フーコー干渉計 主に入射角度の検定に用いる
フィゾー干渉計 主に反射面の粗さやゆがみ測定に用いる
ファブリー・ペロー干渉計 透過率が一定周期ごとに立ち上がる波長特性があるため、バンドパスフィルタなどに用いる。バンドパスフィルタとして用いられるものはエタロンともよばれる。
トゥワイマン干渉計
ジャマン干渉計 2面の鏡と平行なガラス板からなる簡単なもので、光源からの光は第1の平行平面板で2つに分け、第2の平行平面板で再び、いっしょにしてその光路差による干渉を測定に用いる。気体の屈折率の測定
マッハ・ツェンダー干渉計 同一の光源から出た光を二つに分けて別々の光路を通してから重ね合わせる
ワトソン干渉計
ミラー干渉計 mirror interferometer
トゥワイマン干渉計
シアリング干渉計 被検面からの反射波面と、その反射波面をわずかに横方向にずらしたは面を重ね合わせる干渉計
サニャック干渉計 ループを伝搬する右回り光と左回りの光を干渉させる装置
ヘテロダイン干渉法 周波数がわずかに異なる2つの波を重ね合わせると,その周波数の差に等しい「うなり」「ビート」を観測できます.この「うなり」から必要な情報を取り出す
ホログラフィー


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