Subject   : ナノマテリアル(Nanomaterials)

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 ナノマテリアル(Nanomaterials)
 ナノメータスケールでの超微細な物質は、熱・光・電圧など、外部刺激に対する反応が、バルク性を示す物質には見られない新しい特性を表す。このような物質を「ナノマテリアル」(ナノ材料)という。

ナノスケール物質は、先端材料や新素材として、エレクトロニクス・情報通信、バイオテクノロジー、エネルギー・燃料、環境・医療、スペース分野など、さまざまな分野で広く応用されている。 

 ナノスケール物質の合成技術はナノテクノロジーの応用分野を広げる重要な基盤技術である。ナノセラミックスはより低温度で作ることができ、硬度や耐久性など高機能セラミックスになる。ナノ酸化チタン粒子は延性を発揮し、ナノ金属は従来より何倍も硬い銅の製造を可能にしている。ナノ微粒子の性質は粒子のサイズや配列により異なり、粒径を少しずつ変えれば、ナノ材料ですべての色を作ることが可能であり、化粧品産業への応用が期待される。ナノ触媒は自動車の排ガス処理に有望で、環境浄化への応用だけではなく、記録媒体,電子部品への応用も期待されている。超高強度・超軽量材料(ナノチューブ、ナノメタル、ナノガラス、ナノ合金、ナノコンポジット、セラミックスなど)は、航空・宇宙などの交通産業への応用が期待されている。

 物質・材料の大きさは、原子や分子などを扱う「ミクロ領域」、材料の物性等を扱う「マクロ領域」、それらの中間スケールを扱う「メソ領域」、に区分される。
   ナノ物質の形態(類型)は、球状の「0次元構造」、針状の「1次元構造」、板状の「2次元構造」、バルク状の「3次元構造」、がある。

種類 メモ
フラーレン 炭素分子の種類の中でも、60個以上の炭素原子が球状に結合した
構造をもつ炭素分子
カーボンナノチューブ チューブ状の炭素原子集合体
ナノホーン チューブ形の先端が閉じて牛の角(horn)のような形状となっている
ナノガラス ナノレベルのガラスの構造を高精度に制御する
ゼオライト 分子サイズの超微空間を持つアルミケイ酸塩
ナノセラミックス
デンドリマー 規則正しく枝分れした樹木状高分子化合物の総称
ナノエマルジョン
ナノクラスター 数個から数百個の原子・分子が集まってできる集合体
ナノクリスタル 超微細結晶
ナノコンポジット 分子レベルやナノメータスケールで異種の物質を分散し複合したもの
ナノダイヤモンド
ナノメタル 金属材料の構造・組織を約100nm以下で制御した材料
ナノワイヤ ナノ細線
ナノ結晶合金
ナノ触媒 ナノテクノロジーを用いて高機能化・高性能化した触媒
ナノ振動子
フォトニック結晶 光の波長と同程度の周期的な屈折率分布をもつ光学材料
メソスコピック材料 原子よりは大きく、マクロな物質よりは小さい約10nm〜10μm領域の材料
光スイッチング材料
非線形光学材料 光を入射するだけで出てくる光の波長が代わったり、エネルギー量が代わる
特性を持った材料
自己組織化材料
バイオインスパイアード

  (出典)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ⇒ ナノテクノロジー(Nanotechnology)

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